日本ワインのお祭り、バル仙台 注目の東北地方

Wine Festival

6月にもなると暑さが増して、がらっと気候が変わってきた頃。

どこかへ行きたい。

日本ワインを楽しみたい。

何かないかなぁ~と思って検索をしていたところ発見したのが、今回行ってきた日本ワイン祭り。

杜の都のワイン祭り バル仙台2025

日時/6月20日(金)~22日(日) 勾当台公園いこいの広場

バル仙台について – バル仙台2025公式サイト|杜の都のワイン祭り|公式サイト

東北を中心になんと30社以上ものワイナリーがブースを出し、北日本のいろんなワインが楽しめるというもの。また地元レストランのブースも多く食べ物も充実している。

最初にネットで見つけたときは、「地元のお祭りで規模もそんなに大きくないだろう。こじんまりと盛り上がりますか。」というイメージだったんだけど行っていてすごく驚いた。参加しているのは地元の人たちが大半だろうけども、すごく盛り上がっている。会場の広さに、ブースの多さに、人の賑わい。

こんなに日本ワインを楽しむ人たちが増えていたんだと、周りの人たちの楽しそうな笑顔に私も心が躍ったお祭りだった。

どのワインから飲もうかなぁ、まったく事前リサーチをしておらずワインの種類が多すぎて調べておけばよかったと後悔。

そんな中、目に留まったのがこれ!

岩手・花巻市 ベスピナエ リースリングリオン2024

リースリングリオン 2024 | Vespinae Online Shop

なぜ選んだかって? 私はドイツのリースリングが好きだし、リスペクトしている。土地や造り手によってさまざまに表情を変えるのはピノノワールと同等に神秘的な品種だと思っている。

そんなリースリングを岩手の土地で、Vespinae(ベスピナエ)がどのように表現しているのかがすごく気になったのだ。

ちなみにリースリングリオンという品種は、甲州三尺(通常の甲州よりも房や果房が多き品種)とリースリングの掛け合わせらしい。サントリーが山梨で交配したのが起源。それを岩手に持ってきて栽培したところ良いものができた。今ではリースリングリオンの9割は岩手産。

リースリングリオン自体も房が大きく、収量が良い。フルーツ味がふんだんにある品種とのこと!

色は透明に近い黄色。若いリースリングらしい透明度で若々しさが感じられる。リースリング特有のマスカットのアロマ。ゴムや石油のような臭さは無い(個人的に熟成したリースリングのこの臭さは大好物)。そして甲州にみられるようなレモンのアロマも感じられる。

味わいは黄色い柑橘系のしっかりとした酸があるもののオレンジやアップル、白桃などのジューシーなフルーツもありボリュームが感じられる目の詰まったワインだ。花巻で水揚げされるカニに合わせたいなぁ。

栽培者の方だと思うけど、すごく熱心に説明してくれて嬉しかった。

次は日本ワインでは少し珍しいバリック仕込みが気になった。だいぶ濃厚にトロッと出来上がっているんだろうか。それがこちら。

岩手・盛岡市 五枚橋ワイナリー メルロー2021バリック

五枚橋ワイナリー メルロー2021バリック (新樽熟成) – 五枚橋ワイナリー – 自社畑のオリジナル赤ワイン、林檎ワイン、シードル

2021年はバリックに適した年なので造ったそう。だけれどもそんなにバリック感が強く出すぎないものを購入しているとのこと。もっと説明を聞きたかったがこの時の人は慣れてなさそうな感じの人だったかな。

香りからば十分に樽香が感じ取れる。カシスの黒い果実感もあるが、樽と果実が上手く混ざりあっていない感じがした。熟成を経たらいい感じになるのか?

味わいについてもダークフルーツの甘さがあるが収斂性が弱く、ここから熟成を経て複雑味を帯びてくるとは感じられなかった。

なんか美味しい赤ワインが飲みたいと会場をぐるっと回ったり、パンフレットを見たりして考え行きついた先がこのワイン。

新潟県・新潟市 ルサンクワイナリー 2022ピノ・ノワール

Le CINQ Winery | ルサンクワイナリー | ワインリスト

フレンチオークで1年熟成。酸がしっかりあり、果実味も伴って軽いタイプのピノノワールではないとのこと。

あぁ、これはすごく良いな。色合いはかすかにオレンジがかった赤。

やや澱のようなものが見えて、成分が多い印象を受ける。

香りも素晴らしい。エレガントなピノノワールを飾らず表現している感じ。

味わいは口に含んだ瞬間に赤や黒の果実のボリュームを感じる。中盤からはスモーキーさが表れて、この心地よい余韻にずっと浸りたくなる。酸っぱいイチゴとブルーベリーやダークチェリーなどをたっぷり詰め込んだようだ。もう一口飲んだ時にはアフターにどことなくウイスキーのような甘さを感じた。

栽培されているのは海よりのエリアで夏はすごく暑くて、冬には海風が吹き、雪はそんなに積もらないとのこと。

すごく良いワインに出会えた。色々飲もうと予定しているが、もう一杯飲みたくなってしまう。

そんな気持ちを我慢しながら、もう一つ気になるワインへ。

青森・鶴田町 つがるワイナリー 縄文の奇跡2023

縄文の奇跡 2023 | つがるワイナリー・クラフトワイン

スチューベン種からなるワイン。スチューベンはニューヨークが原産の品種で、ここ津軽はニューヨークと緯度が一緒というなんともの偶然。過去の日本で米以外の農業を推奨する国策がたちあがった際(1952年)に入ってきた品種。山形や岩手でも造っていたが、今は青森が生産量の大半を占めている。また生食用としてGI(地理的表示保護制度)に登録されている。

そういえば私も生食用として一度、食べたことがある。皮が固く濃い黒色で、果肉はすごく甘かった。

収穫時の糖度は20~26度。2か月間ほどかけて陰干しをし、この時には糖度は30度ほどになっているそう。

濃い紫色。香りは紫蘇、砂糖漬けのチェリー。

味わいは、、、アマローネのようなフルボディと想像していたが甘い。アマローネのレチョートまではいかないが、甘い。

タンニンを豊富に感じる。そして甘いながら収斂性もある。少し発泡感もあり、発酵を途中で止めたイメージ。そしてスモーキーさもある。ワインのアルコールは14.5%。通常ならば発酵で14.5%までアルコールが上がっていれば辛口になる。やはり陰干し時の糖度がしっかり高かったということがわかる。

あとから聞いてみたのだが、つがるワイナリーは「果実酒」の免許を持っているが、アルコールが15以上を造るには「甘味果実酒」の免許が必要なのだそう。個人的にはすごくパワフルなアマローネのように15.5%くらいまでアルコールを上げた辛口の「縄文の奇跡」を造ってほしいと思った。そのくらい酸やスモーキーさが伴っていて興味深いワインだった。

この日は午前中に「秋保ワイナリー」に行っていて、そこでもワインを楽しんだので酔っぱらったのと、お腹が空いた為にこれにて退散。出店しているご飯を食べながら飲みたかったんだけど独り身にはなかなか厳しい。そして嬉しいことに大賑わいで席もなかった。すごく楽しいワインフェスで、絶対来年も参加します。

最後に締めの餃子定食

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