4月13日(日)、ちょうど桜が綺麗に咲いているこの時期に、小規模ながら気になるイベントを発見。
ねりまワインフェスティバルという、東京初のワイナリー「東京ワイナリー」が練馬区にできてから10年を迎えたことを記念したイベントだそう。
場所は「PLAY!高架下広場」という西武線石神井公園駅徒歩8分のところ。地図で見ていても少し狭そうというか、やっぱり小規模なんだなと感じる場所。だけど、それが良く感じたんだ。日本ワインの造り手とゆっくり話せたり、ワインもじっくり飲めるかなと。だって東京の大きなイベントだと忙しなくて、話せる暇もなくて嫌じゃないか。
本日の天候は雨。より人が少ないだろうなと思い、現地に到着したけど賑わっていた。というか、雨でよかった。12時開場のところ13時についたけどすでに売り切れのワインやフードもあって、あまり量も多く用意してなかったみたい。帰る頃の15時にはほとんどのワインが売り切れていた。昼過ぎに参加した人は残念すぎる。


専用チケットとグラスを買って、各ブースではチケットで支払うスタイル。チケットは10枚つづり¥1000。グラスはプラスチックが¥100で、ガラスが¥1000。私は持って帰るのがめんどうなのでプラスチックで。

一番最初に気になっていた千葉のワイナリー、
SAKURA VINEYARD
千葉にもワインナリーがあるんだってことと、2023年が初VTでまだ立ち上げホヤホヤってとこ、そして4月は桜の季節だからそれにかけて気になっていた。
40mlでチケット6枚とやや高い設定に弱気になりつつも最初の1杯目は
「SAKURA咲くBLANC 2023」

白ワインは今回が初リリースだそう。野生酵母で発酵ということと、恐らく濾過も強くしていない感じで葡萄の味わいが強く感じられる。色合いはほんの少し濁りが感じられるナチュール系。
パイナップルのようなボリューム感に加え、シトラスのような爽やかさも持ち合わせている。果皮と発酵させたのか?タンニンのようなほんの少し渋みがあり、これがまた良い。アフターに抜けていく感じが綺麗だ。
「ORANGE」「ROSE」「PINOT NOIR」なども造っているが全部まだまだ生産量が少ないので、気になる人は上のURLのHPから購入してみて。

1杯目の余韻に浸りながら、全体的にぶらぶらと見学。やっぱり人が多い。そして売り切れが多い。もったいない。来年も開催してほしいのと、もう少し広いスペースでできたらいいなと感じる。東京はどこも場所が高そうだから無理はせず、でもこんな感じで日本ワインを楽しむ機会が多くなればいいなぁ。
と、思いながら目についたクラシックなラベルのワイン。飲んでみたい。
2杯目は
Kentoku Winery

「Yama Sauvignon 2024」
少し淡い綺麗な赤、香りはフレッシュな赤いベリー。
味わいはタンニンが軽く軽快な果実感。小さな甘いチェリー、木の実を思わせる。酸ははっきりあるものの強くなく、良い意味で全体がコンパクトにまとまっている。日本らしい味わいでも物足りなさはない。飲みやすく美味しい。よく集中すると少し土やキノコ、なめした皮のアクセントが感じられる。


ボトルもそうだけど、ワインも少しブルゴーニュを感じさせる上品さがあってめちゃくちゃ良かった。
ワイナリーはなんと神奈川の相模原。こんなところでも造っているんだ。HPには簡単に歴史が書いてあるけど、毎年の気候はどんな感じなのか、土壌はどんなものなのか、山間じゃなく平地っぽいけどどういう特徴なのか、どんな葡萄を育てているのか、年ごとの収穫のタイミングはどうしているのか、すごく気になる。だってワインが美味しかったから。
そんなことを思いながら、そろそろこのフェスティバルの主役を飲もうか。
東京ワイナリー

「ねりまロゼ 2024」
ロゼはあまり日本では飲まれることが少ないけど、ほんと良いスタイルだと思う。
軽い感じが食前のアペリティフに、白の要素と赤の要素を少しづつ持ち合わせバランスがあるからどんな食事にも合い食中酒としても、そして飲み疲れてきた後半でもすっきり楽しめる食後にも。
では「ねりまロゼ」はというと、香りは控えめ、酔っていたのか寒かったからなのかあまり感じ取れなかった。飲み口は若い白桃、桃の皮、オレンジ、マンゴーなどの南国フルーツの要素もある。しっかりした酸があり、ベタついてはいない。突出はしてないけど、飲み飽きないロゼって感じでなかなか。


14時前くらいだけどすごく賑わっていて、まだワインを売っているところには列ができている。
ブースは1人~2人体制が多く、説明を始めると列が消化できないから辛いところだね。こればっかりはどうしようもない。でも日本ワインってどういう風に造っているかや、造っている人はほかの国のワインを飲むのかなど、気になるよね。
では次、
Shiojiri Minori Vineyard
(@shiojiri.minori.vineyard) • Instagram写真と動画
有名ワイン産地、長野県の塩尻から。ここも2023年がファーストVTでできたてホヤホヤワイナリー。
「みのりブラン 」



無濾過。香りはあまり感じ取れない。瓶底の部分で結構濁りあり。ピリッとした白コショウに、少し甘苦い金柑のようなニュアンス、レモンやシトラスのフレッシュな果実。ボリューム、凝縮感があり、グレープフルーツをそのままミキサーにかけたジュースを思わせる。ジューシー。
余ったチケットで最後に飲んだのは
鎌倉ワイナリー

「安曇野メルロー 2023」
自然酵母での醸造。第一印象は全体的にしっかりしていて驚いた。豊富なタンニンにスモーキーさ、葉巻のニュアンスがあり、積極的に味わいを感じたくなる。もっとこのワインを知りたいと思う。重低音の中にいるような飲みごたえと心地よさ。美味しい。アフターにはハッカ飴のようなスッと抜ける余韻。クラシカルに力強く、こういった品質のワインをたくさん作れるようになればまた日本ワインの世界からの見られ方が変わってくるのではないか。


安曇野メルローは2023年が良かった年だったらしい。忙しい中でもこういうちょっとした話をしてくれるスタッフさんにありがたく思う。その良かった年と自然酵母での発酵が上手くいったんだろうか。ほんとに良い品質だと思ったことと、また2024VTが出た時に飲んでみたいな。
今回のフェスティバルは他にもフードブースがあったり、座談会や音楽ショーがあったりともっと色々な楽しみ方ができる空間だった。天候は悪く、雨が降らないところに人が集まり狭かったけど、そんなことよりも素晴らしいワインに巡り合えて幸せだった。
最後に出店一覧など詳しい情報はここからどうぞ。
コメント