ワインを例える際に香りの要素として「バラ」という言葉を使う人は多いだろう。
でもそのバラって2万種類あんねん。
これは一大事だ。香りをバラと例えているのに、2万種類もあれば「どのバラのことを言っているのだろう」と聞き手は戸惑うだろう。そんな悩みを解決すべく、実際にたくさんのバラに触れてきた。
選んだ舞台は「京成バラ園」
見頃は年毎に少し変わると思うが5月下旬頃だろう。
メインはバラが咲き誇るローズガーデン(入園料がシーズンだと¥1,800)
そのほかにも実際にいろんなバラを買って帰れるガーデンセンター。
バラ以外の花や、観葉植物、ハーブなんかも置いていて、ここだけでも楽しめる。
カフェやベーカリーもあって、この施設だけでのんびりと過ごせるぞ。
そしてストロベリーハント(いちご狩り)もできて、この日はファミリーも多く賑わっていた。
では実際にバラを観ていこう。ローズガーデンへ。

ちなみにこの日は4月29日、天気は良好、しっかりとした日差しが降り注ぐので行く方は帽子や日焼け止めで対策をしておいた方が良いだろう。
ダダンッ!

そう、いきなり出オチだがまだあまり咲いていない。見頃は5月下旬なのだ。
そんな緑溢れるローズガーデンも全く咲いていないわけではない。
今、咲いてくれている少ないバラに集中していく。
まず出会ったのは妖艶な紫色をした「ショッキングブルー」
見頃の時期の前に行ってしまった私を表しているような名前だな。

香りの印象はなんか「濃い」「渋い」「青い」。
ワインでいうところのカベルネソーヴィニヨンの過熟したものでなく、しっかりと酸を残しながら適正な時期に収穫をして飲み頃はまだ少し先だけど、期待させるような青さを持ってて今でも美味しく楽しめる感じ。


根の方に目を向けると継ぎ木している。バラの継ぎ木もポピュラーみたいね。丈夫そうな台木だな。相性なんかもあるんだろうか。
🌹 ショッキングブルー(Shocking Blue)
🔸 基本情報
- 系統:フロリバンダ(FL)
- 作出国:ドイツ(タンタウ社)
- 作出年:1981年
- 花色:紫がかったピンク~ラベンダー(青バラ系統の一つ)
- 香り:強香(特にスパイシー系)
- 花形:丸弁抱え咲き、中輪
- 樹形:高さ80~100cm程度の半直立性
🌸 特徴
- 名前の通り、青みがかったショッキングピンク〜ラベンダー色の花が魅力。
- 非常に香りが強く、甘さの中にスパイシーさも感じる複雑な香り。
- 花つきが良く、次々と開花。庭植えや鉢植え、切り花にも向く。
そして次、「カクテル」
赤の中心にサンライトイエローが見え勇気を感じる。

香りはパウダリーな印象。そう化粧室のような香り。女性たちがさらに気高くなるために利用するパウダールームか。そこでは流行の情報交換とともに私が一番輝くという情熱も感じる。
ワインで言うと陽を感じるサンジョヴェーゼかな。みんなで楽しみ、会話が盛り上がる、肩ひじ張らない、明日からも頑張ろうって気持ちになるな。

🌹 カクテル(Cocktail)
🔸 基本情報
- 系統:シュラブ(S)またはクライミング(CL)として扱われることもある
- 作出国:フランス(メイアン社)
- 作出年:1957年
- 花色:**赤地に黄色の目(中心)**がある一重咲き
- 香り:中香(フルーティー)
- 花形:一重咲き、中輪
- 樹形:1.5m〜2.5mほどのつる性(剪定次第で低木にも)
🌸 特徴
- とても印象的な赤×黄色のツートンカラーで、まさに「カクテル」のような鮮やかさ。
- 一重咲きで野趣もあり、ナチュラルガーデンに向いている。
- 生育旺盛で、つるバラとしてフェンスやアーチにも適応。
- 初心者でも育てやすく、耐病性も比較的高い。
なんかやっぱりバラも個性があって面白いぞ。次!
一見、冷たさを感じるが繊細でどこか惹かれてしまう「アイスバーグ」

香りは「少しだけ甘い」
ワインで言うと、ポルトギーザーのような。冷涼地でも栽培されていてタンニンが控えめ、その特徴から線が細いと思いきや、際立った果実味があり楽しめる。少し温度を下げても美味しく味わえる。
🌹 アイスバーグ(Iceberg)
🔸 基本情報
- 系統:フロリバンダ(FL)
- 作出国:ドイツ(コルデス社)
- 作出年:1958年
- 花色:純白(ほんのりクリームを帯びることも)
- 香り:微香〜中香(ほのかに甘い)
- 花形:半八重〜八重、中輪
- 樹形:高さ1〜1.5m程度、直立〜やや広がり
🌸 特徴
- 世界中で最も有名な白バラのひとつ。安定した人気を持つ。
- 花つきがとても良く、春から秋まで繰り返し咲く四季咲き性。
- 花が雨に濡れても傷みにくく、育てやすさも抜群。
- 病気にも比較的強く、初心者にもおすすめ。
- つるバラ仕立て(クライミング・アイスバーグ)もあり、フェンスやアーチにも使える。
では次、
チャーミングな赤色をした「ステファニードゥモナコ」

うーん、これも少しお化粧っぽい。よし、ルケってことにしよう。
もうボキャブラリーが少ない、、、
ちなみにルケってのはイタリア、ピエモンテの土着品種。アロマが強く、味わいも果実味より、酸と渋さが際立った独特な味わいだけど、ひき肉ラグーソースのパスタのような味の濃い料理に相性が良くって見かけた人はぜひ飲んでほしい。
🌹 ステファニー・ドゥ・モナコ(Stéphanie de Monaco)
🔸 基本情報
- 系統:ハイブリッド・ティー(HT)
- 作出国:フランス(メイアン社)
- 作出年:1981年
- 花色:濃いローズピンク〜チェリーピンク
- 香り:中香(ややフルーティー)
- 花形:高芯剣弁咲き(バラらしい形)、大輪
- 樹形:高さ1.2~1.5m程度の直立性
🌸 特徴
- モナコ公国のステファニー王女にちなんで命名された気品あるバラ。
- 花形はとても美しく、**「バラらしいバラ」**の典型。
- 四季咲き性で春〜秋までしっかり咲く。
- 香りは上品で強すぎず、切り花にも向いている。
- 若干うどんこ病に弱いことがあるため、風通しの良い場所で管理がベター。
見頃の時期ではないけど、そのほかにも色々咲いていて楽しめた。
ワイン好きのアナタに「ボンボンデュブルゴーニュ」

私の薔薇の色のイメージはこれ「ボンヌイ」

ガーデンセンターでは綺麗に咲いているバラも多く売ってるよ。
女性にプレゼントしたくなる「プリンセスヴェール」

咲き始めはツルバラが多いからこんな感じだったけど、咲き乱れている頃にまた行ってみたいな。
見頃は5月下旬のようです。(3回目)
そしてかなり暑いだろうから熱中症には気を付けて。
あぁ~ゆっくりとゲヴェルツのワインを飲みたくなってきた~。
あっ、日本の品種でバラを強く思わせるものってなんだろう。これから意識しながら探してみよう。
コメント