「さてと、今日は何をしようか。なんか近くでワインに関する催しはないかな?」
とか思いながらLOVEWINEのHPを見ていると、なんとテールドシエルワイナリーの試飲会が東京であるではないか。
ウィルトス神宮前 テールドシエルだけ!試飲会 【ワインイベント情報 LoveWine】
「テール ド シエル」(Terre de ciel)については長野県のワイナリーですごい良いものを造っていて、人気がぐんぐん出ていると聞いていた。一度は訪問したいワイナリー上位だ!
いつか飲みたいと思っていたとこまさかの東京で試飲会があるとは!これは行くべし!
ということで急遽行くことを決定。
開催場所
「ウィルトス神宮前」というワインショップ。主にナチュールワインを扱っているお店のようで、こういった国産ワインの試飲会も月に1度ほどで開催されているらしい。

店内にはいろんなワイナリーが訪れた足跡が伺える。店員さんはワインに情熱をもっており、話しが面白いので是非近くの方は訪れてほしい。
15時開始なので5分前に着くと皆さんお揃い。私を入れて10人くらいかな。
今回は生産者はおらず。
グラスを差し出し順番にサーブされてテイスティングをしていくというスタイル。
気をつけてほしいのが
・ワインショップの中なので少し狭いこと。
・グラスは一人一脚。これは良いけど、進行の兼ね合いからか12種類のテイスティングを20分ほどでどんどんサーブされるので、あまり1種類をゆっくり知るといった感じではないことかな。
個人的なところは、私は店舗の隅の方に居たので説明は聞こえ辛かった。また生産者に求めるような質問をした時に、返答がおかしかったことかな。
「ファイバータンクとイノックスタンクを使い分けているようだけどなんで?」って。さすがに造り手しかわからない質問で反省してます。
が気になってそれぞれのタンクの特徴を調べたら、品種ごとに造り手が表現したかったものが少しわかった気がしたよ。
下記にタンクの概要を紹介。
1. 素材と構造
項目 | ファイバータンク(FRP) | イノックスタンク(ステンレス) |
---|---|---|
素材 | FRP(Fiber Reinforced Plastic)=ガラス繊維強化プラスチック。樹脂にガラス繊維を混ぜた複合材 | ステンレス鋼(SUS304や316) |
重量 | 軽い(設置・移動が比較的容易) | 重い(設置は固定的) |
耐久性 | 物理的強度は高いが、経年劣化で表面の樹脂が摩耗しやすい | 非常に耐久性が高く、数十年使用可能 |
コスト | 安価 | 高価 |
2. 温度管理
- ファイバータンク
- 樹脂素材は熱伝導率が低く、外気温の影響を受けやすい
- 温度管理機構を付けるのが難しく、自然発酵や低コスト小規模生産に向く
- 夏場や発酵期に温度上昇を抑えるのはやや苦労
- イノックスタンク
- 金属なので熱伝導率が高く、冷却ジャケットや温度センサーを組み込みやすい
- 精密な温度管理が可能で、発酵コントロールに優れる
3. 酸素透過性とワインへの影響
- ファイバータンク
- 微量の酸素透過性がある(木樽ほどではないが、完全密閉ではない)
- 柔らかく丸みのある口当たりを生みやすい
- ナチュラルワインや酸素を少し使いたいスタイルに好まれる
- イノックスタンク
- 酸素透過はほぼゼロ
- 果実味をストレートに残したい、酸化を防ぎたい白・ロゼ、アロマティック品種に最適
- クリーンでフレッシュなワインになりやすい
4. 風味とスタイルの傾向
- ファイバータンク
- 樽のニュアンスなしに、酸素を使った熟成ニュアンスを加えられる
- 柔らかく、落ち着いた質感
- 地域の小規模生産者や自然派でよく採用
- 例:南仏や南米の小規模ワイナリー、日本の一部ナチュラルワイン生産者
- イノックスタンク
- 品種の純粋なアロマを最大限キープ
- クリスピー、クリーン、シャープな印象
- 温度管理重視の生産者で主流
- 例:アルザスのリースリング、新世界のソーヴィニヨン・ブランなど
そんなところでテイスティング。今回は12種類ご用意してくれていた。テールドシエルではランクを3つに分けている。
・レザンシリーズ 買いブドウで造る
・メゾンシリーズ 小諸市と高山村のブドウで造る
・ドメーヌシリーズ 自社畑100%
あまり写真を撮れる環境ではなかったのでお許しを。
印象に残ったものを記載しておくね。
ワインテイスティング
レザンローズ 2024(メゾンシリーズ)

メルロー100%、久々に美味しいメルローを飲んだ。画像の通り、色合いは淡くロゼに近い。
香りからはふんだんに赤いベリーや力強い若い葡萄を感じる。味わいにはグミっぽいような独特な甘酸っぱさ。そしてグレープフルーツの要素も。
今回の試飲会は3部制で一番最後だった。おそらく瓶底の方で濁りを感じる。また若いのに酒石酸のようなものがあった。同じグラスに何度もサーブされているので、他のワインのものだったかもしれないが。。。
酒石酸のようなものが見られるということは成分が多く、これまで美味しいと感じるワインが多い。
確かにこのワインも見た目は淡いが香りや飲み口にはジューシーさを感じていた。
シラー 2023(ドメーヌシリーズ)

シラーらしいしっかりとした濃い赤。北ローヌを思わせるような酸とスパイスが融合し、エレガントにまとめた飲み口。北ローヌよりももっと酸を絶たせて少し淡い感じだが、たっぷりのタンニンを感じる。残糖感はほとんどなく、しっかり辛く仕上がっているので食事と併せると、さらに美味しく感じるだろう。
ピノノワール 2023(ドメーヌ)
写真なし。ピノノワールにしては濃い赤色。早くも葉巻や腐葉土のようなニュアンスを感じる。もっと熟成が進んでも面白そう。いい意味で硬さを感じた。ポテンシャルを発揮するのはもっと先かな。力強い味わいで美味しい。
合計12種類のテイスティングだった。もっとゆっくりと一つ一つを楽しみたいなとか。やっぱり全体的にナチュールらしさがあるなとか。
ピノノワール(ドメーヌシリーズ)と迷ったけど一番気に入った、メゾンローズを購入して帰宅しました。
購入したメゾンローズをじっくり楽しむ
家でゆっくりと楽しむ。ワインは1本飲んでこそ、そのワインを知ることができる。
メゾンローズを抜栓。抜栓仕立てはかなりSO2が感じられる。そして還元的でまだ香りは全開ではない。発酵は止まっていると思うけど少しテイスティングの時より辛く感じた。
おつまみは「タコの練り物」。タコや魚の旨み、甘味がメゾンローズの淡い味わいに合いそう。また夏らしくゴーヤの酢味噌を添えて。

思った通りすごく合う~。全部飲まずに2日目のSO2が抜けて、より味わいと香りが広がることを期待しながら本日は終了。
こういったテイスティングの機会は少ないのでありがたい気持ちが強い。ワインショップが独自に考えて顧客を楽しませようとしてくれていることはありがたい。またレベルアップにもつながるし、それは今後のワイン探求にもつながる。ありがたい機会だった。
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